自民党圧勝の後の郵政国会。まあこの期に及んで郵政民営化に反対するのは、共産党と「造反組」の党ぐらいだろう。別に「やったー民営化賛成万々歳」などと言いたいわけではなく、小泉批判派にしても「選挙の争点を郵政に絞ったから勝った」と言っているぐらいなのだから、それで支持された民営化に反対するのは民意にそぐわないということだろう。まあ、民意の単純和が絶対というなら増税なんてできないわけだが、民営化の流れはまあ止められまい。
朝日やゲンダイあたりはこの期に及んで「全投票では郵政反対のほうが多かった」などとみっともない負け惜しみを言っている。「それは民営化反対派のほうが立候補者数が多かったというだけで、一人当たり得票率に換算すると民営化推進派のほうが多かった
」という点はとりあえず措いておこう。天声人語で「この票数では民営化は否決されたことになりはしないか」と宣っておきながら社説で「民主党が対案を国会に提出した姿勢は評価したい。」と言う
朝日は頭がおかしいのだろうか。おまいら編集会議とかやってないのか? 「この票数では民営化は否決されたことにな」ると言うなら、民主党はじめ野党は断固民営化に反対を続けるべきではないか。対案なんて出しちゃだめだろうが。民営化反対が選挙に勝ったのなら、議席を減らして民営化論に転んだ民主党は何だというのか。変節漢はおまいら朝日だけで充分である。
まあ、野党なのだから、対案を出して与党案をより良いものにしようという姿勢は当然であって、それすらやらない「何でも反対」は共産党ぐらいで充分だ。上記の矛盾も、あまりの民主大敗ぶりに天声人語子がファビョっただけだということにしておこう。民主党は、少なくとも主観的には政権政党を目指しているらしいという話を人づてに噂として聞いているから、与党に数の奢りがあったりはしないか厳しくチェックし、また対案を研鑽して法案を止揚できるよう頑張って欲しいと思う。
だが、先日の国会中継のニュースを見て驚いた。JNNニュースバード(TBS系)が報道した部分のやり取りをテキストに起こしてみよう。
ナレータ「郵政民営化を巡る、与野党の対決。小泉総理が、民主党が提出した対案について、厳しく批判しました」
若林秀樹参院議員
「民主党法案は、『国民の暮らし安心法案』であります。『官業焼け太り民業圧迫法案』が政府案であります」(そう記したフリップを示しながら)
小泉総理「民主党の議論を聞きますと、『公社のままで改革可能だから、株式会社は改革にならない』って岡田議員も言ってんですよ? その、『三事業一体でなければネットワークは維持できない』。三事業一体じゃないじゃないですか、対案は。『郵貯と簡保は国の責務として維持すべきだ』って、全然違うじゃないですか、民主党の対案は。どうなっちゃってるんですか」
自分のサイトのチラシの裏
に「質問に勝った負けたとか、小泉総理をやり込めたという基準で自己満足するのではなく、とにかく前原新体制の下で「闘う民主党」の姿勢を前面に出し、責任重大な小泉総理の政権運営をめぐって厳しく課題を指摘しておきたいと思います。」と書いているにもかかわらず、どうしてこういう質問しかできませんか? 他の革命闘士だったおぢちゃん達の票を集めるには、わるーい自民党を口汚く罵らないとだめなんですかね。それとも「自民党のスパイだ」とか言って粛清されちゃうのかな?
そんなことをやっているから小泉総理に上記のようにあしらわれて、議論すべき点も議論されずに終わっちゃうんじゃないのかね。「三事業一体でなければネットワークは維持できない」と言ってたのが、三事業一体でなくてもいいと考えるようになったのなら、その経緯で検討したそれぞれの案のメリット・デメリットを民主党の視点から主張し、我々はこういう結論に達したが、首相はどういう観点からそういう結論になったのでしょうか、とかやるのが議論というものではないのだろうか。それが自民党との差という話だろう。どうせ法案自体は政府案と似たり寄ったりのところに落ち着くんでしょ?
民主党も辛いですなあ( ´_ゝ`) おまいらの主張のブレぶりは何なのかと小一時間問いつめたい。そんなことなら最初から民営化に賛成するべきだったのに。労組とか党内左派に「それじゃ自民党との差が無くなる」とか言われて反対しちゃって。国を良くすることに「差がなくなる」も糞もあるわけないだろう。変に差を出して大負けしちゃ世話なかろう。前川だか前園だかいう新党首も、“岡田中途半端路線”を引き継いでいるようで遺憾である。
それにしても民主党は、なんで「官業焼け太り民業圧迫法案」なんて悪口から入る悪い癖を止めないのか。
ちなみにこのニュースのあとJNNニュースバードは、解散の時のガリレオ云々の話題について触れた。民主党議員が、恫喝をしてまで民営化に賛成させた総理は、まるでローマ教皇だ、と言ったアレだ。朝日はガリレオ問答は報道しても、民営化の議論は一行も報道していない。やはりどこまで言っても朝日は朝日だ。